メディア取材 ラグジュアリーマガジン「SPA CHINA」

更新日:2020年10月25日

中国のラグジュアリーマガジン「SPA CHINA」の2019年11月/12月号に最高峰のウエルネス“TCM(Traditional Chinese Medicine)【中医学】の国際的な中医師として中村元鴻(Nakamura Genko)が特集・紹介される。

SPA CHINAはラグジュアリーホテルやハイエンド層に人気の隔月数万部発行の中国のマガジンです。インターネットマガジンとしてコチラからもご覧になれます。

リンクまたは画像をクリックしてください。

https://spachina.com/emag/dec-2019/


「国際的な中医師 中村元鴻」

特集はp54-58です。




内容は、以下の通りとなります。 (SPA CHINAでは英語と中国語での紹介ですので、下記に日本語訳を掲載いたします。)

  1. 中国武術家としての中医学

  2. ウエルネス=中医学

  3. ほんとうの薬膳とは

  4. 心身を癒すアート(氣アート)

  5. 未病を見出して癒す“すいな”


<記事本文>

今、世界のウエルネスでは “未病” が見直されています。

日本の医療でいう未病医学と伝統中医学(TCM-Traditional Chinese Medicine)でいう “未病” とは少しニュアンスが異なり、身体の不調もなく、検査しても何も出てこない状態だが、少しずつ不調へ向き始めてている状態を伝統中医学でいう “未病” です。


“いわば、それは健康状態をみるもので、現代医学のように病を見つけるものではありません。”

Profile(プロフィール)


中医師、中国武術家の中村元鴻さんは一般社団法人国際伝統中医学協会代表理事、株式会社 DIAMONDの代表取締役でもあります。彼は中国国家高級中医資格、中国武術協会武術段位5 段を保有し、2011年太極拳世界大会で総合太極拳1位、総合太極剣1位を獲得し、1988年国 際武術大会で剣術3位、槍術2位を獲得した元全日本代表強化コーチでした。 


彼は中国上海中医葯大学、中国什刹海体育学校 北京武術チーム、江蘇省武術代表チーム、中国 北京体育大学で学びました。10歳の頃から中国で中国武術を学び、剣術、槍術、太極拳に精通 している世界的な武術であり、世界中の様々な競技大会で40のメダルを獲得しています。元日 本オリンピック委員会の強化コーチとして、中村先生が選手の育成にも力を入れ、彼が指導し た選手は金63、銀74、銅73の素晴らしい成績を獲得しました。Spa Chinaマガジンは、日本 の武術家であり、中医学の専門家にインタヴューしました。


Questions:


1.なぜ中国に来て武術と中医の勉強をしたのですか?


 私が中国武術を知るきっかけは、ごく一般的で、映画で李小龍や成龍、李連杰を見て「カッコイイ」という憧れでした。強くなりたいとか、何かの競争で頂点に立ちたいという気持ちは一切なく、ただ「鍛錬したい」という目的と「武術は生涯行うもの」「武術によって一生が組み立てられていく」と、まだ10歳の子供だった頃に不思議なくらいに強く感じたことを今でも明確に覚えています。そして、それは気軽なお習い事としてではなく、人生において様々な“縁”と“奇跡”を生むものだと信じ込んでいましたので、何の迷いや壁を感じることなく、本場の中国で学ぶことを決意し、子供の頃から本場の中国で学びました。


 中国武術競技は1990年北京で行われた第11回アジア競技大会より正式種目となり、初めて国際競技スポーツとしての位置を獲得しました。私は、1999年より全日本国家代表チームの強化コーチとして関わり、国際大会や国内・海外での強化合宿の帯同強化コーチを経験させていただくことになりました。そこで私自身が競技アスリートとして経験したことのない問題に直面します。国際大会や国内外での合宿で初めて選手と生活を共にした時、その選手の中には、環境の変化と心身の疲労から最も重要な局面で怪我をしてしまったり、本来のパフォーマンスを発揮できないことが起きてしまいました。私は強化コーチとして技術的な部分とメンタル的な部分にのみ尽力していましたが、医療的な面に関して、現場で発生した問題には医師にお願いするしか方法はありませんでした。その時の医師からの指導は「休むこと」「競技をやめること」「投薬して様子を見ること」しかありません。特に国際大会では、長い年月をかけて目標を掲げて日本代表となり、夢にまで見た世界の舞台を目の前にして断念するか、または全力を発揮できない体調に直面したときに、ただ寄り添っているコーチである自分自身の至らなさと、管理能力の足らなさ、知識不足を痛烈に感じました。特に海外遠征での合宿や大会では、寒暖・乾湿の変化、食などが大きく変わります。日本から準備をしていくことにも限界があります。競技世界での医療は、怪我や病になってからの対処療法しかありません。日常の訓練の方法と、環境・食・メンタル面・肉体面を総合して高め、バランスを取るための知識や方法を必ず習得する必要があると強く感じたことを覚えています。


 中国は武術以外の他の国際的なスポーツ競技を含め、絶対的な強さを誇っています。全日本の強化コーチとして、私の悩みを多くの中国武術の老師に相談すると、全ての老師が「中医学を学びなさい」と教えてくださいました。中医学には怪我や不調を治療する方法と、予防する方法はもちろんのこと、不調に至る手前の“未病”状態を発見し、健康状態をさらに上昇させる強化方法もあるということから、選手育成と競技力を高めるために中医学の世界に足を踏み入れました。その結果、2000年~2007年の約8年間で私が育成した選手達に合計で200個を超えるメダルを獲得させることができたのです。

2.中医はとても奥深く、多くの宗派と専門があります。現在従事している中医のプロジェクトは具体的にどのような内容ですか?なぜこのような中医を選んだのですか?


 私が現在、日本で行なっている最も力を入れている活動は三つあります。


 第一は、中医学的に人の身体を診る“中医診断法(カウンセリング)”の普及です。


 中医学は『自然』と『感性』の医学です。「陽が昇れば活動し、陽が沈めば休息する。暖かければ綻び、寒ければ塞ぐ。乾けば軽くなり、湿れば重くなる。人類が最も課題とする長寿、老化、病。」中医学はその課題を改善すべく自然の中の『人類のありのまま』を解いたものです。


 中医学は〝独自の生理観や病理観〟をもち“独自の診断や利用方法”を持つ、ひとつの体系化された伝統的な医学です。その特徴は、中医学の治療に対する有名な言葉に「上医治未病、中医治欲病、下医治已病」とあります。病になる前の状態をいち早く察知することを最も優れた医療技術と考え、「病の兆しの時点で治療する」ことを上、「病の初期で治療する」ことを中、「病になってから治療する」ことを下といい、これらを中医学では上・中・下のレベルの医療と考えられています。なぜなら病は、病になってしまうとその回復には大変な時間と労力を要し、回復しないこともあると考えられているからです。


 現代医学は不調の訴え、または検査によって病を発見し、それに対する処方となります。これは中医学の下医(下医治已病)に該当し、予防は中医(中医治欲病)を指しています。現代医学でも中医学でも下医と中医は、直接、病に対する処方であり、その処方の方法はそれぞれにあります。しかし、上医(上医治未病)のエリアは現代医学には存在しません。日本の現代医学での“未病”の捉え方は、元来、中医学でいわれているものと異なります。日本の現代医学での“未病”は「自分自身に自覚がないけど検査して病や異常を見つけるもの」です。これは既に病であり、それを治療するものは中医学でいう下医と中医に該当します。中医学でいう“未病”はそれとは異なり「病になる前の兆候」を指し、これは本人にも自覚がなく、検査にも現れない状態であり、健康な状態から不調や病へほんの少しでも向き始めた瞬間を見逃さずに発見し、その時点で改善することを“治未病”といいます。“治未病”は治療ではなく養生法となり、現代医学からすれば、それはもはや医学ではないエリアだと考えています。いいかえれば、現代医学は何らかの病という診断の上でしか処方をする方法はありませんが、中医学では、健康状態でのバランスの変化が崩れる瞬間を見出すことができます。この方法がわかれば、自分自身や家族の健康を守ることができます。


 日本の医療費は2018年の時点で年間40兆円を超え、年々増加の一途をたどっています。2025年問題といわれている、超高齢化社会の亢進と生産人口の減少からドクター、病床・病院、介護師・介護施設が不足し、日本の社会保障問題と医療問題がピークに達するといわれています。日本の医療費を削減し、自分自身や家族の健康を自分で守るには、中医学の“上医(上医治未病)”の「不調や病の前兆を見つけて改善する方法」を知ることが不可欠だと感じ、これに特化した講座を製作し、超高齢化社会の先端を走っている日本で普及実践し、そして、世界へ向けて発信する活動を行なっております。特に中医学の表現は専門用語が多く、難関と感じられているので、全て現代口語(普段使用している言葉)に変えて表現した講座内容となっています。これは、医療従事者、エステティシャンやセラピストなどの美容関係者、スポーツトレーナーや主婦層などから多くの受講生に喜ばれ、みなさま、様々な場面で活用してくださっています。世界の多くの人々が中医学の上医の知識を修得することを切実に祈っております。


 第二には“すいな(推拿)”の普及活動です。私が中医学で特に専門で学んだのは“すいな(推拿)”です。中医学三大療法(鍼灸・中医薬(日本では漢方と表現)・すいな(推拿))といわれている中で何故“すいな”を選択したかというと、薬も道具も何も使わず“手”だけで治す安全な療法だからです。“すいな”は元来、小児推拿が発祥といわれ、子供への治療には鍼を入れることも、飲みにくい薬を入れることも困難なことから、手技によって治療する方法として確立しました。そして、身体の外面から、手技による整体法は筋肉や骨格などに対するものである、と多くは認識されていますが、“すいな”は、内臓疾患、脳疾患、心疾患、精神疾患にも高い治療効果を求めることができます。現代医療としては、これら内臓や脳、精神疾患に対して、薬や道具を使用せず、身体に一切何も入れない、人が人だけで行う治療方法はほぼありません。


 前述したように私が中医学を学ぶきっかけは、中国武術競技選手の怪我の兆候を見出し改善することと、選手たちのパフォーマンスを十分発揮できるようにするためであり、それには推拿は最も適したものでした。私が育成した選手は中医カウンセリングと“すいな”により怪我をせず、疲労を残さず、選手達は能力を十分に発揮することができたのです。それにより、競技として200個を超えるメダルを獲得することができました。


 その後たくさんの病の方々への施術や、“すいな”の臨床を行う中で、驚くべきことがありました。それは、現代医学では難病(現時点では明確な治療方法がない)といわれているものに対しての治療の可能性が見出せることです。例えば、脳梗塞発症後の半身不随となり、筋肉の拘縮を緩和させられたり、糖尿病患者の血糖値の数値の改善、ALSと診断された患者を改善することができたり、全治6ヶ月といわれた骨折や靭帯断裂も約半分の期間での回復と、数えきれません。さらに、中医でいう「切診」という、触れて診断する(多くは脈診や腹診)ものを“すいな”では全身に手技を施しながら行うことができ、ポリープの発見や様々な生活習慣病の前兆を発見することができます。


 “すいな”は日本では、現代医学の正式な診断にはなりませんが、心身の不調や病の前兆を見出すには非常に適したものと感じられます。逆にいえば、現代医学は病を見つけるものであり、心身の不調や病の前兆を見出すものはありません。その前兆を見出した後、推拿の手技療法によってそれらを緩和し改善することが可能です。


 そして、家族が痛みや健康不安に苦しんでいる時、必ずその家族が心配し「何か自分にできることはないか」と感じる時が必ず来ます。そんな時、“すいな”の技術があれば痛みを和らげたり、健康不安を取り除けたり、あなたの「何かできれば」という気持ちを手技によって表現できることができます。私は、家族が眠れない、腰が痛い、膝が痛い、首が痛い、更年期症状、咳が止まらない、胃腸の調子が思わしくないなどの様々な症状になった時、すぐに自宅で推拿の手技によって、痛みを緩和し、改善し、大きな病にならないようにしています。


 「一家に一人、すいな師」一家に一人、“すいな”ができる人がいれば、病を未然に防ぎ、家族を守ることができ、家族に何かできればという気持ちを解決することができます。この“すいな”が世界中で「家庭の医学」となることを目標として、“すいな”の施術とすいな師の育成を行なっております。