伝統
師から受け継いだものをそのまま伝達する。
長い年月を経て、その形になって伝えられたのには意味がある。
例えそれが分かりにくくても、実践しにくかったとしても、その形になって伝わるには幾重もの検証と伝達によってまとまったもの。その極意を自分に落とし込み、実践できるかどうかが自分自身の能力である。
具体的に実践できないのは、受け取った自分自身の見識の狭さ、偏り、知識、経験不足が原因。伝統をそのまま伝授してくれた師には感謝のみ。
骨身を削り、時間をかけ、人生の財産である、その伝統を受け継いでくれたこと。何も分からず、手探りだった、一歩も前に出ることができなかった所から一筋の光を与えてくれた。
何事も懇切丁寧に手取り足取り教えてもらうことが当たり前になってしまった世の中、技術が上がらないこと、実践できないこと、効果が現れないことを、教えてもらった方のせいにする、師の原因にする。
金銭によって買ったものが満足いかなかったと文句を言う「客」になってしまったのでは、学ぶ、伝授されるというところからかけ離れてしまう。
「客」とは満足を欲すること。
「学ぶ」とはヒントやきっかけをいただくこと。
全てが出来るようにしてもらうことを学ぶとは言わない。
伝えられたことを反復し、検証し、まとめ、理解し、実践し、自分のものにする。
それは時間がかかること。
自分が理解するまでの時間をどれだけ根気よく淡々と行えるかが要になる。
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